12月の春、白い桜が降る。
「それからね、冬郷 ひなたくん」
「はい」
「敬語はやめようよ、それと“結川さん”も禁止ね。
私も前みたいに“よう”って呼ぶから。」

確かにそういえば、付き合うことになったのにずっと敬語で話していた。

初対面の人に対してだと思ってたから、敬語が抜け出せずにいたのだろう。

「わかった。でもひとつ聞いていい?僕、前は君のことなんて呼んでた?」

「普通にひなたって呼んでたよ。

初めはお互い名字で呼びあってたんだけど、最後の方は名前で呼ぶことにしてた」

「じゃあ僕も、ひなたって呼ぶよ」

彼女は一瞬目を丸めて、顔を赤く染めてからニコッと笑った。

その笑顔はまるで向日葵のようだった。

彼女は本当に綺麗だ。
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