12月の春、白い桜が降る。
電車にのって僕の最寄り駅から六つ目ぐらいにある大きな駅につき、
改札を出てすぐのところに、彼女がー…、ひなた、立っていた。

レースがついたTシャツに、デニム生地の膝ぐらいまであるスカートを履いていて、
非常に夏らしい格好をしていた。

それに比べると僕は、普通のTシャツに普通のパンツだけど、大丈夫だろうか。

既にデートは失敗しそうなのではないか。

…そんな僕の不安を、彼女は一瞬で吹き飛ばしてくれた。

「いいね、その格好」

僕は深く安心し、その一言で実はずっと縛られていた不安が一気に解けた気がした。
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