12月の春、白い桜が降る。
そういえば、今日は朝からまだ何も口にしていない。

微かに腹の虫が鳴り、僕はベッドから起き上がり、リビングの方へ向かう。

テーブルの上には母からのメッセージ通り、ラップに包まれた焼きそばと、
ポテトチップスが置いてあった。

僕はとりあえずポテトチップスを手に取り、袋を開けて一枚口に放り込んだ。

喉が渇いたと思い、水を飲む為にコップを取り出そうと食器棚を開けたその時、

静かな家の中でチャイムが鳴り響いた。

ポテトチップスの袋をテーブルに載せ、玄関の方へ足を運ぶ。

そういえば最近、この辺で不審者が現れたらしいな…。

まさかな、と思いながらも、内心少しビビりながらドアをゆっくりと開いた。

僕のくだらない想像とは裏腹に、ドアの前に立っていたのは同い年か、幾つか年上ぐらいの女の人であった。
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