12月の春、白い桜が降る。
「久しぶり!」

ようの顔を見て、真っ先に出た言葉だった。

お邪魔しまーす、と言っていつもみたくようの自宅に上がり込む。

私はようのお母さんとも仲が良く、家族感覚で上がっていた。

二ヶ月ぶりに入るようの家の匂いが新鮮で、少しだけ、緊張した。

途端、背後で声が聞こえた。
< 90 / 210 >

この作品をシェア

pagetop