12月の春、白い桜が降る。
「それで?まずは、私が誰かっていう説明から始めた方がいいよね?」

ようは私の問いにはい、と返事をする。

敬語が私の心を突き刺してきて、聞く度に痛みが生じる。

そして淡々と自己紹介をし、
彼氏がいるかどうかを話そうとした時、一瞬迷った。

彼氏は、貴方なのだと。そう言うのは、今は辞めておいた。
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