やさしくしないで ~なぜか、私。有能な上司に狙われてます~
ハンカチは、鞄にいれていつも持ち歩いていた。
課長のところに行ったときに、そっと渡そうと思った。
なんでもいい。この間のことで話をするきっかけにならないかと機会をうかがっていた。課長は、私にハンカチを渡たず機会をすら与えなかった。

本気で怒ってるのかな?
少しは話を聞いてくれるかな。
町田課長課長とは、あの夜からろくに口も聞いていない。
課長は、前よりも忙しくなったのだ。
こちらから話しかけても、早紀先輩に言えばいいと言って、相手にしてくれなくなった。
仕事で課長の許可を取りに行っても、事務的な返事を返してくれるだけで、前みたいに、親しく話しかけてはくれない。

2月に入っても、町田課長の態度は変わらずだった。この人は、もう私に対する態度を変えることはないにだろうかと、ハンカチをそっと彼の机の上に置いた。
私も無理に話しかけようとはせず、仕事だけのかかわるようにしていた。
課長は、私のことなど忘れてしまったかのようだった。


――久しぶり。元気?

それからしばらくして、前の職場の同僚からメールをもらった。

今週末の金曜日、みんなで飲みに行くことになったから都もおいでと言う内容だった。珍しく職場の近くではなく、本社の近くのお店になったからと添えられていた。
私は、すぐに参加すると返信した。
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