恋する気持ち
屋上に行くとちょっと怖い顔をした静弥くんがいた。

「ごめ…」

私が謝ろうとすると、突然抱きしめられた。

「静弥くん?」

「あのさ、あんまり俺を不安にさせないでくれる?」

「え…」

「俺、嫌なんだよね。愛菜が他の男と話してるところ見んの。束縛とかじゃなくて、単純に好きな人が他の男と楽しそうに話してたら、嫌でも嫉妬するじゃん」

「好きな人…」

「愛菜は…好きな人いないんだっけ」

「いるよ」

本当はずっと前から……

「私の好きな人は、静弥くんだよ。あの時、怖くて言えなかったの。嘘ついてごめん」

「じゃあ、あのラクガキも…」

「……静弥くんです」

これからはたくさん好きって言ってもいい?
この気持ち、隠さなくてもいい?

「愛菜」

静弥くんの優しい声に顔を上げる。

「好きです。俺と、付き合ってください」

「はい」

ただのクラスメイトでもなく、友達でもなくて……
静弥くんは私の好きな人で大切な人。

優しい声も、笑った顔も、
ちょっと天然なところも、
全部全部大好きです。
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