旦那様は溺愛暴君!? 偽装結婚なのに、イチャイチャしすぎです



それから津ヶ谷さんとともにやってきたのは、ショッピングモールの敷地内に併設された小さなドーム型の建物。

看板に掲示された星の写真から、これがプラネタリウムだと察した。



「プラネタリウムですか?」

「あぁ。たまにはいいだろ」



たしかに。プラネタリウムなんて子供の時に行った以来、滅多に来ない。

二度目のデートで互いの好みが出る映画等ではなくプラネタリウムを選ぶところが、津ヶ谷さんの配慮を感じた。



中に入ると、上映前のやや薄暗い中、前方の座席に通された。

そこはふたり分の座席がつながったペアシートだ。



ぺ、ペアシート……。

ということは、一緒に座るということだよね。

一気に緊張して固まる私の一方で、津ヶ谷さんは気にせず席につく。



意識するな、気にするな私。

そう自分に言い聞かせ席につくとまだなにも映し出されていない天井を見上げた。



ちら、と横目で隣を見れば津ヶ谷さんもなにげなく天井を見つめている。

高い鼻とすっきりとしたフェイスライン、小さめの唇……その横顔はひとつひとつが整っていて綺麗だ。



最初は、王子のフリをしてる彼をただの見た目がいいだけの男って思ってた。

だけど、今この心が彼に抱く気持ちは違う。

見た目だけなんかじゃない。

本当は優しくて、努力家で、私を見ようとしてくれている。向き合い、受け入れてくれる。



そんなあなたの心を、もっと知りたいと思う。


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