今夜、色のない君と。
───ガチャ
「ぅわっ」
「お待たせー緒都くん。……ってあれ?」
どのくらいその絵に見とれていたんだろうか。
髪の毛が少しボサボサになった秋野さんが、業務部屋から出てきた。
いきなり扉が開く音がしたので、今まで出したことのない情けない声が出てしまった。
「緒都くーん?」
「あ…秋野さん、ここです」
「ああ、そこか。来て来て」
秋野さんは手招きをしながら僕を呼んだので、
もう一度さっきの絵を少し見てから触れていた手を離し、レジにいる秋野さんのところに向かった。