今夜、色のない君と。


「……明日も来るから」



花夜の頭を撫でながらそう言うと、


花夜は「うん」と言って笑ってくれた。



それから店の窓の鍵を全て閉めて、秋野さんから預かっていた鍵を持って外に出る。



「じゃあ花夜、また明日」


「うん。明日ね」



入口扉を少し開けて店の中にいる花夜に言ったはずなのに、


どういう訳か僕の隣から返事が聞こえた。



「……なんで外にいるの?」


「秋野さんに見つかっちゃうから」


「……?」



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