好きの代わりにサヨナラを【蒼編】《完》
「マジで……!?」

「うん」

自信満々にうなずくほのか。

まっすぐ俺を見つめる瞳に、思わず目をそらしそうになった。



「……おめでとう」

なんとか俺の口から言葉が出せた。

いろんなことが意外だった。

ほのかがオーディションに受かったことも、それを一番先に伝えた相手が俺だったことも……

ずっと見たかった笑顔が目の前にあるのに、俺はそれを直視することも、一緒に笑顔になって喜ぶこともできない。

ただぶっきらぼうに祝いの言葉をいうのが精一杯だ。
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