好きの代わりにサヨナラを【蒼編】《完》
「ごめんね。急に呼び出して……」

俺の隣で間をあけて話す彼女に、これ以上近づくことができなかった。

ほのかから告白されるんじゃないか……

できすぎたシチュエーションに妙な妄想をしてしまう。

俺はなるべく表情を変えずに、視線を自分の足元に投げた。



「一番初めに話したかったの」

彼女の明るい声に、俺は恐る恐る彼女に視線を向けた。

学校で見せる表情とは全然違う。

少し照れたように笑って、くるっとした目を俺に向ける彼女の姿があった。

俺の心臓が微妙に早くなる。

俺の緊張には全く気づかずに、彼女はいつもより早口で続けた。



「オーディション、受かったよ!」
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