ドラマチックな恋は、突然に。
ーー外へ出て、近くのコンビニにでも行こうかと思ったけれど、どうせなら少しだけ足を伸ばして、大きなスーパーへ行くことにした。

少し歩いた先にあるスーパーは最近出来たばかりで、まだ真新しさがあって、品揃えもどこか新鮮だった。

だからって買うものと言えばいつも同じようなものでしかなくて、面白味もやっぱりないんだけど……なんて考えながら、カゴに野菜を放り込んでいく。

どうしてこうも似たような毎日が続いていくんだろうか。

明日もまた、掃除してドラマを見て、そうして夕食の支度をしてる内に夜になり、旦那が帰って来る。

そこには、なんのドラマチックさのかけらもなかった。

こんな一日を重ねている間に、一年なんてあっという間に過ぎてしまうんだ。

だいたい、「あけましておめでとう」って言ってたのだって、ついこないだな気がするのに、気づけばもう年末で、365日が終わろうとしていた。

ホントつくづく刺激がほしいなと感じる。

ちょっとだって何かが起これば、明日を楽しみにも思えるようなドラマが私の中でも始まるのに、

なんて、そんなことが簡単に起きるはずもないかと、レジでお金を払って、買い物袋をぶら下げた。


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