エリート副操縦士と愛され独占契約
困惑を隠せない私に、彼はちょっと意地悪に目を細めた。


「まずは、判断基準として、俺をお前にしっかり刻み込む」

「水無瀬君を、私に?」


水無瀬君の言葉に戸惑って、自分で繰り返す私の前で、彼の唇が『そう』という形に動く。


「俺の性格はもちろん、物事に対する考え方に、仕事への向き合い方」


彼はそう言いながら、右手で指折り数えている。
私は、彼の長く筋張った指が折れていく様を、瞬きしながら見守っていた。


「女性の扱い方も。……特別な女をどうやって愛するかも、余すところなく全部」

「っ、え?」


意味深に声を低くした水無瀬君を、私は大きく目を見開いて見つめ返した。
私の視線を受けて、彼はなんとも魅惑的に微笑む。


「俺も、塩野と比べて物足りないなんて言われて、傷ついたから。それで見返してやれると思えば、俺にも十分メリットがある」

「メリットって」

「でもさすがに、恋人じゃない女にそんなことできないから。……だから望月、俺と恋人になるって契約しよう」

「っ……こ……」


彼の口から飛び出したとんでもない提案を、無意識にリピートしようとして、声が喉に引っかかった。
あまりの驚きで、その先が口を突いて出てきてくれず、私は真ん丸の目をしたまま、ゴクンと唾を飲むしかなかった。
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