エリート副操縦士と愛され独占契約
「あれ、望月。お疲れ」


そんな声がかけられ、私はそちらに顔を向けた。


CAたちの後に続いて、パイロットの制服姿の男性二人。
そのうち若い方、三本の白いラインが入った黒いジャケットを寸分の隙もなく着こなしているコーパイ……副操縦士が、私に向かって笑みを浮かべていた。


「水無瀬(みなせ)君」


私が名を呼んで反応すると、水無瀬君は軽く左手を上げて振ってくれた。
彼は私の前で足を止め、隣の機長に一礼する。


「すみません。すぐ追いかけます」


機長は、首を縦に振って応じる。
先に進んでいく機長に、私もそっと黙礼した。


「今帰り? 早いな」


そう言われて、私は水無瀬君に目線を上げた。
身長百六十センチの私でも、顎を仰け反らせるほど、水無瀬君は背が高い。
スレンダーな身体つきだけど、肩幅が広く男らしい彼に、パイロットの制服制帽がとてもよく似合っている。


「うん。先週で、上半期末も過ぎたから。今週はわりと暇なの」


私は彼に、笑顔で答えた。
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