one Love 〜知らなかった恋する気持ち〜


「おはよ」


靴を履き替えながら声を掛けると、二人はなぜかだんまり。

じっとこっちを見たまま、うんともすんとも声を出さない。


「……何だよ?」


不思議に思いながら突っ立つ二人の横を通り過ぎると、いきな背後から腕を掴まれ引っ張られた。


「待って」


止められて振り返ると、腕を掴んだこころは黙ったままそっと手を放す。

その横にいる純太も真顔で、やっぱり二人しておかしな空気を放っていた。


「ちょっと顔貸せよ」


喧嘩をふっかけるみたいな口調の純太。

こっちのリアクションもうかがわず、二人はスタスタと校舎の外へと出ていった。

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