停留所で一休み
「またまた~。こんなかわいい子だったから、頑張っちゃったんじゃないの~?三枝課長!!」

「よせよ、真帆の前で。」


間違いない。

この声は佳樹だ。

彼と真帆ちゃんが結婚するんだ。

私は慌てて、テーブルにこぼしたコーヒーをティッシュで拭き、休憩室を出ようと、大きく口を開けたポーチを、そのまま持った。

そして次の瞬間、ポーチは大きな音を立てて床に落ち、中身はバラバラに散ってしまった。


恥ずかしい。

顔を真っ赤にしながら、床にばらまかれた小物を拾い集める。

私のその姿は、遥か遠くにいる佳樹と真帆ちゃんの目にも止まったらしい。


「出海?…」

遠くから、佳樹の声が聞こえた。

そして……
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