停留所で一休み
「えっ?」

「おまえは昔からそういうヤツだったよ。」

昔からって……

お兄さん、どこから、私のこと知ってるの?

「どんなに一生懸命勉強しても、一度もおまえに勝てなかったもんな。俺にとっておまえは、目の敵だったよ。」

「そんな~」

私は伸びながら、テーブルの上に寝そべった。

「そう、それ。勉強している素振りなんて一切見せなくて。友達に『あんた、また10位以内に入ってるよ。』って言われても、また~みたいな。」

「ははは…」

「その余裕に構えている後ろ姿を、何度蹴り倒したかったか。」


お、お兄さん!

そんな恐ろしいこと考えてたの?


「まっ。今思えば、小形も影で密かに努力してたんだろうけどな。」


ごめん。私の場合、本当に勉強しないでそんな点数取ってた。
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