停留所で一休み
なるべくゆっくりと歩いたのに、真恵叔母さんの家までは、あっと言う間に着いた。

「いらっしゃい。出海ちゃん。」

「こんにちは。真恵叔母さん。」

「久しぶりね。さあ、上がってって。」

「いや、今日は……」

「そんなことは、言わないの!」

叔母さんは私の腕を引っ張って、家の中に引き入れた。


「そうそう。今、お客さんもいるんだけど、気にしないで。」

「お客さん?いいの?上がっちゃって。」

「いいの、いいの。出海ちゃんの同級生らしいから。」

「えっ?」


ちょうど叔母さんのお宅の、居間に来た時だ。

「ごめんなさいね、本村さん。」

「いいえ、お構いなく…」

予感的中。
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