停留所で一休み
「何であいつに、毎日のように会わなきゃいけないのよ。」

私は家から出てきて、宛てもなく近所を歩いていた。


そこへ、白い車がスーっと停まった。

運転席の窓が開き、見えたのは懐かしい顔だった。

「出海!!」

「弥生!」

それこそ高校、大学共に一緒で、出海の親友の牧野弥生だった。

「帰ってきてるなら、何で連絡くれないのよ。」

「ごめん、ごめん。」


大学を卒業後、地元の市役所に勤めている彼女。

容姿端麗な彼女は、たちまち憧れの対象になり、確か5年前に、牧野産業という地元じゃでかい会社の息子と、結婚したはず。

今乗っている車だって、左ハンドルだ。

私とじゃ、大違い。

なんとなく、連絡を取りづらかった。
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