碧い瞳のシャイ
小さな町の男の子


男の子は驚いた

小さな町から望む白い砂丘

そこから白い猫が

二本足で歩いて来るのだから



男の子は尋ねた

「ネコさん、どこから来たの」

シャイは答える

「白い砂丘の真ん中からだよ」

男の子はまた尋ねた

「どこへ行くの?」

シャイはまた答える

「わかんない」

男の子は思った

『このネコさん、なんて名前なんだろ』

シャイは答える

「ぼくの名前はシャイ!よろしくね」

男の子は再び驚いた

「シャイ、ぼくの思ってることがわかるの?」

シャイは優しく答える

「聞こえてきたんだよ…君のお母さんの声も、遠くから聞こえてきたよ」

「えっ?…」

「大好きだって、もっと甘えてって…君は独りじゃないんだよ」

そう言い残すと

シャイは小さな町を抜けて

再び白い砂丘へと消えていった



男の子は思った

お家に帰ろうと…

ずっと…

小さな町の端っこに居た男の子は

小さな町の真ん中へと戻っていった

お母さんのいるお家へと…

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