恋する24時 2

「……」




 不安そうに揺れる、可児先輩の瞳が

 とても愛おしく思えた。




「どの先輩も全部、可児先輩だから好きですよ」




 ドクンッ



 あっ、しまった。



 さっきのゲームの『好き』の影響が

 可児先輩のお話で治まっていたのに

 今の『好き』でぶり返してしまった。



 頭の中に積み重なる『好き』と

 比例して苦しくなる胸の奥。




「……っ」




 動悸、息切れ、眩暈

 もう、何かの病気みたいだ。



 辛くなってきて、ギュッと目を閉じる。




「……由似ちゃん? どおしたの?」




 苦しい、よぉ……。



 アタシは、涙目で先輩を睨んだ。




「……今ので、またゲームのヤツぶり返してて困るんですケド?」



「えっ? そんなにスゴいの?」




 アタシは無言で何度も頷いた。




「……席外して、何処かでギュ~ッてする?」



「!? ……もう、これ以上先輩の事好きにさせてどうするんですか?」




 勢いで言ってしまったアタシも悪いけど

 先輩の答えの方が斜め上をいっていた。



< 127 / 186 >

この作品をシェア

pagetop