恋する24時 2
「……」
不安そうに揺れる、可児先輩の瞳が
とても愛おしく思えた。
「どの先輩も全部、可児先輩だから好きですよ」
ドクンッ
あっ、しまった。
さっきのゲームの『好き』の影響が
可児先輩のお話で治まっていたのに
今の『好き』でぶり返してしまった。
頭の中に積み重なる『好き』と
比例して苦しくなる胸の奥。
「……っ」
動悸、息切れ、眩暈
もう、何かの病気みたいだ。
辛くなってきて、ギュッと目を閉じる。
「……由似ちゃん? どおしたの?」
苦しい、よぉ……。
アタシは、涙目で先輩を睨んだ。
「……今ので、またゲームのヤツぶり返してて困るんですケド?」
「えっ? そんなにスゴいの?」
アタシは無言で何度も頷いた。
「……席外して、何処かでギュ~ッてする?」
「!? ……もう、これ以上先輩の事好きにさせてどうするんですか?」
勢いで言ってしまったアタシも悪いけど
先輩の答えの方が斜め上をいっていた。