恋する24時 2

 コースのデザートまでしっかり食べて

 アタシ達は帰路につく。



 前野さんとの話もあったから

 お店を出たのはほぼ15時手前だった。



 高いレストランのコースも

 今のアタシの事を考えてくれて

 夜ではなくランチにしてくれている。




「夕飯入らないくらい食べましたね」



「うん、美味しかったね~」




 閑静な住宅街周辺の

 隠れ家的なお店だけど

 予約とるのが大変なくらい人気らしい。



 あの美味しさとサービスなら

 人気も納得だ。



 駅まで歩く道の横に

 大きめの公園が現れる。



 緑の多い、欅並木の向こうに

 芝が綺麗に敷かれた広場と遊歩道

 平日のこの時間だから

 まだ学生さんはいなかった。



 まだ残暑が厳しい日が続いているのに

 今日は、思ったより過ごしやすい。



 頬を撫でる風が気持ちよかった。



 そう言えば、可児先輩とこんな

 健康的な公園の遊歩道なんて

 歩いたことあったっけ?




「……由似ちゃん、オレに何か言いたいことあった?」



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