恋する24時 2

 その顔が、本当に困惑していて……。




「……えっ?」




 訳が分からず、二人で固まってしまった。




「……」
「……」



「ちょっと待って?」




 加藤部長が、混乱した顔のまま

 わたしの二の腕をつかんで

 顔を覗き込む。




「……もしかして、無自覚?」



「えっ?」




 無自覚って? どう言う意味?




「……?」
「……っ」




 今度は、わたしの方が混乱して

 すがるように加藤部長を

 見つめてしまった。



 辛そうに、顔を歪める彼が

 ギュッと、我慢するように

 わたしの両の二の腕をつかむ手に

 力を入れた。




「……こ、このままだと危険です」




 へ?

 危険、って、どう言う意味だろう?




「……まだ時間があるなら、キッチンでお茶を入れてもらえますか? ちょっと落ち着いたら話しますから」



「……」




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