恋する24時 2

 加藤部長は

 テーブルの上を見据えたまま

 静かに口を開く。




「変に落ち込まないで下さいね? 今言った条件は、オレが月森さんを、勘違いで襲わないようにするためのものです」



 えっ?




「……これで、三ヶ月安心して、料理を教えられるでしょう?」




 チラリとこちらを見上げた

 加藤部長と目が合う。




「……」




 でも、あんまり見てはいけないから

 わたしは、あわてて視線を落とした。




「……ありがとう、ございます」




 わたしの事を

 考えてくれた条件だった事に

 じんわりと、嬉しい気持ちになった。




「じゃあ、もう遅いから送ります」




 加藤部長が、そのまま立ち上がる。




「はい……」




 今までの件で、大丈夫ですよ

 とは、もう言えなくなってしまった。




 仕方なく、わたしも鞄を肩にかけて

 立ち上がった。



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