恋する24時 2

♡ お着替えとシチューとダメ出し


 次の週の日曜日――



 午後一番に

 ショッピングモールで待ち合わせをした。




「月森さん」




 呼ばれて、顔を上げると

 先週と同じようにふわふわサラサラの

 決めていないヘアスタイルの加藤部長が

 目の前に立っていた。




「今日は、よろしくお願いします」



「そんなかしこまらなくても、こっちもシチュー教えてもらうんだし、……ヨロシクお願いします」




 わたしが丁寧に頭を下げると

 彼は照れたように頭をかいて

 挨拶をしてくれた。




「今日は、洋服を見に行きましょうか?」



「はい?」



「一応、第三者の目が合った方がいいと思って、ショップで働いている友人に協力してもらう予定です」




 第三者の目?




「月森さん、体のラインが出ないように、緩めの服が多いみたいだから、プロのアドバイスを聞いてみようかな、って……」



「……ありがとう、ございます」




 考えて来てくれたことに、感動してしまった。



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