恋する24時 2
背中に、イヤな汗が流れる。
「……可児先輩、……ちょっと、ヤバいかも」
『えっ?』
「後ろに変な、男の人が……、助けてください……」
『……取り合えず行くから、何とか持ちこたえて!』
「……はい」
足早に公園の道をアタシは進む。
もう一度振り返ると
ゆっくりと、薄ら笑いを浮かべたまま
若そうな男の人が
近づいてくる。
「……」
ヤバいと思った感覚が
間違っていなかった事に落胆した。
どうしよう……。
なるべく速足で距離を取り
振り返らずに、公園の道を進む。
出張用のスーツケースもあるから
あまり速く歩けないけれど
2メートルの間隔は
かろうじて保っていた。
心臓がバクバク言っている。
早く、公園を出たい
でもまだ半分以上はある。
可児先輩が来てくれるけど
会社からだったら
30分以上はかかるから……。