恋する24時 2
シャワーから出ると
食べ終わった先輩が
スーツケースの片づけをしていた。
「明後日から催事だけど、準備は出来てる?」
「はい、荷物はOKです」
アタシは、先輩の食べた食器を片付けて
寝る準備をする。
先にベッドに入った先輩の隣に転がって
引っ付くだけで泥のようにドップリと
眠りに落ちることが出来た。
それでも夢を見た…――
公園で襲われた時の夢。
暗闇の中逃げるアタシの後ろを
追いかけてくる足音。
逃げても逃げても、追いかけてくる。
あの時と同じように
突き飛ばされて
横から蹴られ馬乗りに乗っかられ
叩かれて、殴られて……。
振りかぶったナイフが振り下ろされる夢。
何度も、なんども繰り返す
あの時の記憶。
「はぁ、はぁ…、はぁ、はぁ……」
目覚めて冷たい汗を拭き
震え出す体を
ギュッと、自分で抱きしめた。