恋する24時 2

 シャワーから出ると

 食べ終わった先輩が

 スーツケースの片づけをしていた。




「明後日から催事だけど、準備は出来てる?」



「はい、荷物はOKです」




 アタシは、先輩の食べた食器を片付けて

 寝る準備をする。



 先にベッドに入った先輩の隣に転がって

 引っ付くだけで泥のようにドップリと

 眠りに落ちることが出来た。





 それでも夢を見た…――



 公園で襲われた時の夢。



 暗闇の中逃げるアタシの後ろを

 追いかけてくる足音。



 逃げても逃げても、追いかけてくる。


 あの時と同じように

 突き飛ばされて

 横から蹴られ馬乗りに乗っかられ

 叩かれて、殴られて……。



 振りかぶったナイフが振り下ろされる夢。



 何度も、なんども繰り返す

 あの時の記憶。




「はぁ、はぁ…、はぁ、はぁ……」



 目覚めて冷たい汗を拭き

 震え出す体を

 ギュッと、自分で抱きしめた。



< 86 / 186 >

この作品をシェア

pagetop