僕は彼女の名前をまだ知らない
「精神的に病んだお母さんは、僕に暴力をふるうようになったんだ。
まだ、幼稚園児だった僕に。

だから、本当のお母さんの妹である、今のお母さんが僕を引き取った。

それが僕の秘密。」



そう言うと、僕はふーっと息を吐いた。




「君が、寛輝っていう名前を嫌うのって……」

「そう。子供を殴るような人が、寛大に輝くってなんだよって…………」





長い長い沈黙が、僕たちの間をゆっくり流れた。
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