僕は彼女の名前をまだ知らない
「ああいう子と一緒にいたら、ヒロキまで悪影響を受ける。
だから…あの子とはもう関わらないで!」
お母さんは部屋から出ていこうとしている。

そんな…
彼女と過ごしたこの4日間はすごく青春だった。
このまま終わりにしたくはない。

「無理だっ!」
お母さんが僕を振り返る。


「僕は…僕は彼女が好きなんだ!
だから、一緒にいさせて。ねぇお願い。」

しかし、お母さんは冷淡に言った。

「ああ、あの子かわいいもんね。色白だったし目が大きいし。
でもねヒロキ。
かわいいだけで何でも許されると思ったら大間違いなのよ!
社会はそんなに甘くないの。実力と、常識を兼ね備えてないと駄目なの!」

僕は何も言い返すことができなかった。
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