俺様社長~小箱の天使
ひとり
新垣由美は、沖縄の出身で東京の大学に進学するために上京した。

内気な性格でなかなか友達も出来ずサークルにも入っていなかった。

一般教養の授業中にセーフと言いながら後の彼氏になる高橋優馬が隣の席に座った。

全然セーフじゃないし。

「お、なかなか鋭い突っ込みするやん。」

やだ、聞こえてた…。

「君いつもひとりやな。」

「うん、なかなか自分から話せなくて…。」

「授業友達になろ。俺、朝めちゃくちゃ弱いねん。だから協力してくれへん。」

と優馬は、大学生なのに名刺を出してきた。

その後は、お互いに利用しあった関係になった。

授業も代行して優馬に抱かれた。

「初めてか?」

「うん…。ゆっくりして。」

初体験は、冷めたものだった。

優馬にはちゃんとした彼女がいた。

彼女が太陽でわたしは日陰だった。

でも…寂しさから逃げるには優馬に抱かれる事が唯一の方法だった。

別れは卒業式だった。

大手の会社に採用されて優馬は自殺した。

優馬は、社会に出て行く事を怖れていた。

震える優馬を抱きしめて冷たくなった優馬を見上げる事しか出来なかった。

優馬は、心の病に犯されていた。

優馬との時間は由美にはかけがえのない時間だった。

しかし、片岡汐里には遊びでしかなかったのだ。

年上の彼女…。

彼女と同じ会社に入って復讐するつもりだった。

しかし、桐谷社長の嫁になり子供まで産まれた。

許せなかった。

葬式のゴタゴタを狙って高い階段から突き落とすつもりだったが間違えて桐谷社長を突き落としてしまったのだ。

そしてわたし新垣由美は桐谷社長の秘書をしていた。
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