しあわせ食堂の異世界ご飯3
その様子をみて、リズも困惑した様子でアリアを見た。すぐに心配させないように、アリアは優しく微笑む。
「大丈夫。リントさんには、魔法を使って手伝ってもらいたいんです」
「魔法でお菓子を?」
 予想していなかったアリアの提案に、全員が声をそろえて目を瞬かせる。指名されたリントも、不思議そうだ。
「……まあ、それくらいなら構わないが」
「本当ですか? よかった!」
 もしかしたら、そうほいほい魔法を使うことなんてできないと言われてしまうかもと、アリアは少し心配だったのだ。
 けれど杞憂だったようで、ほっと胸を撫でおろす。
「魔法のお菓子……」
 リズも話を聞いて楽しみに思ってくれたようで、表情が少し明るくなった。
「それじゃあ行こうか」
「あっ!」
 アリアがザラメを売っているお店へ歩き出そうとすると、カミルが待ったをかける。その視線は、アリアとリズのふたりへ向けられた。
「ん? どうしたの?」
「アリアがリズを抱いたままだと、大変だろ。俺が肩車してやるよ」
「やだっ!」
 カミルがリズに手を差し出すが、すぐに首を振られて嫌だという意思表示をされてしまった。
「え……っ」
 断れてしまったことがショックだったようで、カミルは肩を落とす。
「リズちゃん!? なんで……」
 カミルがしょんぼりしてしまったのを見て、アリアが慌ててフォローをしようとするが……いい言葉が浮んでこない。
 それを見ていたリントが、「当たり前だろう」とため息をついた。
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