バツイチ彼に告白したら、予想外に溺愛されて困惑しています。
入口で、紅林さんはチケットらしきものを二枚係員に手渡す。
ちらりと覗き見ると、“招待状”と書かれていた。

招待…されているんでしょうか?
招待状がなかったら入場料がいるってこと?
だったら私、お金払わなくちゃだよね?
ああ、もう、全然意味がわからないよー。

とりあえず聞こう。うん、聞こう。

「あの、入場料…とかどうしたら…?」

「うん?いらないよ。このイベントは招待制だから。」

「私も来ちゃって大丈夫でしょうか…?」

不安になって聞いたのに、紅林さんは少し驚いたように目を開いてそしてくすりと笑う。

「会社でもらったチケットだから気にすることないよ。図面管理課ではチケット回ってこなかった?」

「…はい。」

うちの会社は大手製造企業だ。
その内容は、産業機械が主力となっている。
どうやら会社でこのイベントの招待状が回っていたらしい。といっても全員配付ではなく、関係部署に数枚程度渡されたようだった。
製造や設計と違って、図面管理課で受付や仕分け業務をしている私には縁遠いものと言ってもいいかもしれない。
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