バツイチ彼に告白したら、予想外に溺愛されて困惑しています。
「…ありがとう。」

呟くように言う紅林さんは私の頬を撫でた。
温かい手が優しく頬を撫で、私はドキドキが抑えられずに紅林さんを見つめる。
次第にお互いの顔が近くなっていきおでこがコツンとぶつかって吐息が漏れると、綺麗な形の唇が見えた。

本能的に目を閉じると同時に、唇と唇が重なる。
優しくついばみながら何度もキスをされ、私は紅林さんにしがみつきながら必死に応えた。

ふいに体のラインをなぞられて、甘い吐息が漏れた。
キスが唇から首筋へ這うように移動する。
痺れるような感覚に溺れそうになりながら、残っていた理性が待ったをかけた。

「待ってください。その、私、どうしたらいいかわからなくて。…ごめんなさい。」

とっさに紅林さんの胸を押してしまう。
それはもう、拒絶するように。
決してそういう訳ではないのだけど、無意識に動いていた。

紅林さんは申し訳なさそうに、

「いや、ごめん。」

と言って目をそらした。

居たたまれなくて、私はまた胸が押し潰されそうな感覚に陥った。
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