バツイチ彼に告白したら、予想外に溺愛されて困惑しています。
*

出勤前、鏡で身だしなみをチェックする。

ふと、右の首もとに紅いアザを発見した。
え?と思ってまじまじと見てみる。
何かしたっけ?と疑問に思うのが先か気付くのが先か。
瞬間的に紅林さんが思い浮かんだ。
これってもしかして、もしかして、…キスマークってやつでは?

慌ててハイネックの服に着替える。
ギリギリ隠れる位置だ。
今日が寒くてよかったと、私はほっと胸を撫で下ろした。
念のため、髪の毛もサイドで結んで更に隠す。
鏡で入念にチェックして、準備完了だ。

それにしても、嬉しいやら恥ずかしいやら何してくれてるんだと怒りも少し相まって、私は気分が落ち着かない。
無意識に、サイドに結った髪をふわふわと触ってしまう。

「可憐ちゃん、今日は髪型違うね。」

「あー、はい。たまには。えへへ。」

真知さんに言われて図らずもドキッとした。
上手く隠せてるよね?
真知さんがじっとこちらを見てくるので、緊張してしまう。
な、何だろう?もしや気付かれた?

「あのさ…。」

「はっ、はいっ。」

「可憐ちゃん、お菓子作り得意だったりしない?」

「…へっ?」

予想外の質問に、すっとんきょうな声が出た。
ああ、びっくりした。
キスマークに気付かれた訳じゃなかったみたい。
これ、心臓に悪いよ~。
紅林さんのばかぁ~。
< 65 / 93 >

この作品をシェア

pagetop