バツイチ彼に告白したら、予想外に溺愛されて困惑しています。
*

先日真知さんと焼いたシュトーレンを、丁寧に切り分けて一切れずつラッピングする。
一人では食べきれないし、せっかくなので課内で配ろうと思ったのだ。
シュトーレンに混ぜ込んであるドライフルーツや洋酒が、良い感じに熟成されている。
シュトーレンは焼きたてよりも数日置いた方が美味しくなるのだ。

大島さんが先行書類を取りに来たので、せっかくなので大島さんにもシュトーレンを渡す。

「マジ?いいの?めっちゃ美味しそう!早川さんお菓子作り得意なんだ?作業長うらやましー!」

「紅林さんにはまだあげてないです。」

「え、何で?先にもらっていいの?」

「いいですよ。」

「あ、なるほど、クリスマス本番にあげるんだね?妬けるなー。」

「そんなんじゃないですって。クリスマスは会わないですもん。」

言ってて悲しくなってきた。
大島さんが変に煽るから。
そうだよ、本当は紅林さんに食べてもらいたいんだよ。
だけどクリスマスは会えないって。
用事があるんだって。
その用事って、何だろう?

聞きたいのに聞けなくてずっとモヤモヤしている。
じんわり目頭が熱くなった。
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