夜のしめやかな願い
うん、わかってた。
子豚の無駄のあがきだと思ってください。
「なんだか。
お寿司が食べたくなっちゃった。
ほら、銀座のあそこの店」
「げっ」
宗忠の顔から血の気がひいた。
「うっそでーす」
「いや、さゆさゆが食べたいっていうなら、いいよ」
「顔、引きつってるし」
さゆりはシートから立ち上がった。
「ご飯には早すぎるよ。
ショッピングでもする?
何か欲しいものある?」
宗忠も立ち上がるとさゆりの手をとって出口へと歩きだした。
ごくごく自然な振る舞い。
妹だなんて、とっくにわかってた。