森の妖精と団長さん
「エマ」
名前を呼ばれ、ビクッとしてしまう。
声を辿っていけばソファにルカさんが座っていた。
ドキドキと鳴る心臓をそのままにルカさんのところに行く。
「エマ、座ってくれるか。ゆっくり話したい。」
隣をポンポンとしながら私の手を引く。
座ってもなお何も話さずにいる私に、ルカさんは優しく抱きしめてくれた。
「隠しててすまない。俺のことは王族に近しい者しか知らないことだったんだ。」
私の顔を覗き込み、目を合わせてくれるルカさん
「どんな立場であろうとも、俺の気持ちは変わらないぞ。俺はエマと一生生きていく。王の許しも貰ってるしな。」