俺のまさかの溺愛狂想曲
始まり



🐝

私、山梨結菜22歳大学を出て、
旅行会社に就職した。
海外への赴任を考えて、
英語、韓国語
を取得して今、中国語を勉強中。



才能ある人は羨ましい直ぐ
覚えるし・・・。

だから、負けないように結菜はやる気だけで頑張った。



毎日毎日勉強、勉強、それに直ぐ海外に行けるわけもなく、考えが甘
かった。



今は老人会・婦人会.商工会.などなど
小さな仕事から旅行営業を、
コツコツとやっている!! しかし、
わたくしの夢は海外!


今は遠い海外。


オーーイ。
≪≪いっかみてろぉ~、
🇫🇷🗼フランス
💂🇬🇧.イギリスよ~
そのうちぃ~仕事でぇ
いくからぁ~なぁ﹏。



大空に、轟音を響かせ飛び立つ飛行機に叫ぶ!

《《必ずぅーわたしもぉ~乗るん
だからぁぁぁってかぁー
のせてよーおりゃあ~》》


≪≪ぜってーい、
行くからなああああぁ





飛行機が、良く見えるデパートの
屋上で思いっきり叫んだ。
         フウ~


夕方になると幼稚園児や、子供連れの親子が増えて叫べないし朝は閉まってるし
今の時間を狙って叫びにくる。



哀しきかなストレス解消(≧▽≦)!!

あースッキリしたあ~

「気が済んだかい。」

結菜の背後からくぐもった声がした。

    ≪≪≪え~え~えぇぇぇ
振り返ると・・・



自販機の隣の真っ赤な、飲料水会のマークの入った長椅子に


80位の優しそうでしっかりしてそうな
髪を結い上げた綺麗な
お婆ちゃんが話かけてきた。



「あ・・・はい。へへ聞いてました。?」


バツが悪そうに頭を掻き舌をペロッ
と出して結菜は大きな丸いクルリとした目を細めながら笑った。

    
「いやいや、聞こえるでしょ
 普通に、叫んでるし。」

「…ですね。すみません。」

お婆ちゃんは、ふふふと笑いながら

「あなた、お仕事中なの?」
    
「はい。でもお昼休みなんです。」


お婆ちゃんは
「私も時々考え事があると此処に
来るのよ。 」
そう言って笑った。

「私もです。」

「奥様、ソロソロ帰りませんと光寿郎様が、 お着きになります。」

「あ、ハイハイ。叉会いましょうね。」
 お婆ちゃんは、 

「よつこらしょっ。」

と席を立つと、少し歩いて振り返った。



「あなた、お名前は?」
「山科結菜(ゆいな)です
みんなユーナと呼びます」

「そう。じゃあユーナまたね。」

天真爛漫な結菜は去っていく初老の彼女に

「またね!!」

そう言ってブンブンと両手を高くあげ手を振った。


椿は車に乗るなり

「あの子の事を調べて頂戴、できる
だけ 大急ぎで。」


黒塗りの高級車はデパートの幹部達の見送りを受け静かに走り出した。





椿は九条財閥系の跡取り九条光寿郎が嫁をもらわずもう直ぐ30と言うのに
独身を楽しんでいる事に頭を悩ませていた。



椿が調べる光寿郎の付き合ってる彼女達は、どの娘も、椿の目に
は止まらない。

もう椿も80だ、ソロソロ曾孫を見てみたい。

それに長く生きたとしてもあと10年!
もっと長生きしたとしても20年!
健康でいられる訳もないじやないか!!



そんな事を考えていたら、もぎたてのフルーツのような、弾ける笑顔の
結菜と合った。


これは、神様が椿にくれたラスト、チャンスかもしれん。

ふと、そんな気がした。


       
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