スマイルウォーター
2話

翌日、繋は実奈に話しかけるため玄関で待っていた。
するとそこに実奈が出てきた。
繋は話しかけようとしたがなんと話しかけたら良いか分からなかった。
すると実奈がしゃがみだしてあるものを拾う。
それはお守りの付いた家の鍵だった。
「それ俺のだ!」繋は駆け寄った。
「あなたのね。はい」
実奈は笑顔で繋に渡す。
「……ありがとう」繋は緊張していた。
「……君、転校してきた人…」
「そうだよ。家の事情で引越してきたんだ」実奈は笑顔で話す。
「あなた、毎日熱心に勉強しているよね」
「将来はドクターになりたいという夢があるからな」
「素敵だね。夢があって。私も夢を持ちたいな」実奈は繋より学校に馴染んでいたようだった。
そしてしばらく繋は実奈と話をして繋と実奈は帰った。
繋にとって運よく違う形で実奈と関わる事が出来た。
翌日の昼休み、繋が屋上に行くとそこには実奈がいた。
「あなた、昨日の」
繋は緊張した。
実奈は繋の手に握られた教科書に気付いた。
「昼休みも勉強するんだね」
「そうだ。早く夢を叶えたいからな」
「偉いね、そうやって毎日真面目に勉強して」
「……ありがとう……君は夢とかないの?」繋は勇気を出して質問した。
「強いて言うなら夢はバスケット選手だよ」
「バスケット選手?」
「そう。昔からバスケットが好きだからね。でも私じゃなれないと思うけど」
「……いや、希望を持って努力すればきっとなれるさ」繋は思いついた言葉で励ました。
「ありがとう。元気が出た」
その日以降、繋と実奈は仲良く話すようになるがしかし繋は告白する事が出来なかった。
何度も告白しようと誓ってもそのたびに出来なかった。
繋はそんな自分が嫌になっていた。
それが続いた。
ある日、ホームルームで先生は話した
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