スマイルウォーター
3話
昨日、歩道にトラックが突っ込む事故が発生した。
そしてその事故に実奈が巻き込まれた。
繋は戦慄し思わず動揺した。
実奈の命に別状はなかったが下半身不随となってしまいさらに記憶喪失とまでなってしまった。
皮肉にも1年以内の記憶を失っていて繋の事は全く覚えていなかった。
それを知った繋は思わず泣いてしまった。
繋は実奈を支えようと考えたがしかし障害者になってしまった実奈を受け入れる事は出来ないし自分の事を忘れてしまった実奈は実奈じゃないと思ったため以降繋は実奈との接触を避ける事となってしまった。
繋は無意識に障害者を差別してしまい実奈を裏切ってしまった。
結局事故に遭ってからというもの実奈とは一切関わらず他人の関係で卒業した。
高校卒業後、繋は日本で難関の大学である世界医療大学に就職しそして20歳の時に国家試験を一発合格する優秀な青年だった。
繋は若き天才ドクターとして医療界で知られる存在だった。
やがて繋は大学を22歳で卒業しそして豊川病院で働き出した。
1年後には未来病院に移動したが繋はあわせて2年間で多くの患者を手術して救っていった。
中には手術不可と思われた手術も成功させ繋は若くして日本一のドクターになった。
そんな繋の将来は安泰なものだと誰もが思っていた。
24歳になった繋は1年間だけ未来病院から泉川病院に転勤という形で働いていた。
ある日、繋は手術を終え家族に報告した。
「手術は成功しました。もう大丈夫です」
「ありがとうございます。やっぱり先生に頼って正解でした」家族は大喜びだった。
繋は今日も成功率の低い手術に成功し天才ドクターとしての腕を見せつけた。
「でも残念です。手川先生、この病院に1年間しかいないなんて」
「安心してください。この病院には他にも優秀なドクターがいますので」
繋は不愛想だったが言葉には温かみがあった。
繋が廊下を歩いていると玄関で車椅子に乗った女性がいた。
それは24歳になった照日実奈だった。
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