先生が私に恋をした
「どうして、何も言ってくれなかったの?」
「本決まりになったら、言うつもりだった」
「いつ、その話が出たの?」
「夏前くらいかな。最初に言われたのは」
「夏前って、だいぶなるじゃない」
「奏を手に入れてなかったし。手に入れてからは
離れたくなくなってさ」
「なんか嬉しい、、、私のことちゃんと想ってくれ
てることが。」

先生は右手で私を抱き寄せると頭にキスをした

「奏、ずっと考えてたんだ。どうするのが一番いいのか。」
「うん」
「奏と離れたくはない。でも、アメリカで腕を磨ける
チャンスも捨てたくない」
「うん。」
「だから、奏、一緒に来てほしい」
「え?」

思いもしなかった先生の結論に私は言葉に詰まってしまう
アメリカに一緒にって、、、

「奏にとっては、俺以上に大きな決断になる
急がせる気はない。春には正式に渡米する
だから、それまでゆっくり考えてくれたらいいから」

「来年の春?あと5ヶ月しかない」
「うん。奏、たしかパスポートは持ってるって
言ってたよね?」
「それは、持ってるけど、、、急すぎて混乱してる」
「ごめんな、もっと早く話すべきだった」

春にはアメリカに?
私、行けるのかな、、、
知り合いも、友達も誰もいない知らない国で
私は生活していけるのかな


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