クリスマスがやってくる!
「えっと、今日の遅番は、店長、キッチンが、原さん、井上さん。フロアが、常田さん、塚本...」
「全部口にしないと書けないんですか?脳と口と手が一直線」
「ほっといてください!」

全くいちいち突っ込んでくるんだから。
ぶつぶつ文句を言いながら日報を埋めていく。と、

「あっ、忘れてました!」
「どうしました?」
「ツリーです!」
「えっ?あっ?やだ、忘れてた!」

12月ももう半ば近いのにクリスマスツリーを店内に飾っていなかった。
というか、誰も気づかないなんてどんな店だ。

「店長、今から飾っちゃいましょう」
「いいんですか?塚本さん、終電は...」
「間に合わなかったら店長の自腹でタクシー代出してください!」
「えぇ?自腹ですかぁ?」
「つべこべ言わずやっちゃいましょう!」

有無を言わせず私はツリーを取りに倉庫へと向かった。


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