リンク・イット・オール
「けど、ちゃんと伝わったよ」
それを遮るように彼が言った言葉に、思わず声が止まる。
「え……?」
「悠の思いも、笹沼たちの思いも……全部伝わった。勝手に絶望的になって下向いてる、そんな自分が情けないって思った」
ちゃんと、伝わった?
あなたの歌が聴きたい、夢を追いかけたいと願う、私たちの気持ちが。
「喉が治ったら、今度は俺が伝えるから。その時は俺の気持ち、聴いてくれる?」
そう言って、こちらを振り向く真紘先輩は優しく微笑む。
その表情、そしてその言葉から感じたのは、彼がまた夢に向かおうとしているのだということ。
あぁ、ちゃんと、伝わった。
私や先輩たちの思いが彼に届き、その背中を押すことができた。
嬉しさに、止まったはずの涙をまたこぼしながら頷く。
喉が良くなったら、聴かせてほしい。
真紘先輩の、歌うことへの思いを。
全て全て、受け止めて見せるから。
私は両手で涙を拭いながら、口を開く。
「さっき言ったこと、全部本当の気持ちです。私、ずっと真紘先輩に言えてなかったことがあるんです」
ずっと、あなたに言いたかった。
胸を張れる自分になったら言おうって、思ってたこと。
今の私は、人に支えてもらってばかりで、まだまだ胸を張れる自分にはほど遠い。
だけど今日こうしてあなたに思いを伝えられたことで、ほんの少し、自分が好きになれたから。