初恋レモン
抱きしめられた腕の隙間から
ちらっと爽太のひきつった顔が見えた。
その表情から、
相当海人君に怯えているんだと思う。


だけど負けず嫌いの爽太。


「なっなんだよ!
別にお前に許してもらおうなんて…」「あと。」


言い返す爽太の言葉を
海人君が遮った。


「菜々は渡さないから。
諦めてね。」


そう言った海人君は
いつもの海人君に戻っていた。
だけど、その言い方はまるで
爽太は私を好きみたいな…。


抱きしめられていた腕が解かれ
爽太を正面から見れば
顔は赤く染まっていた。
それが怒りから来るものなのか、
それとも海人君の言葉が
図星だったのかなんて
こんな私でも分かってしまった。
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