初恋レモン
だけど、
そんな海人君でも
大好きって思ってしまう私は
相当重症だ。


***


落ち着きを取り戻した私は
海人君にさくらちゃんたちの
連絡先を教えてもらって
早速メッセージを送ってみた。


『スマホ、買いました』


たったそれだけの文を打つのに
すごく時間がかかってしまって
海人君に「機械音痴」って笑われた。
ムスッとしてみても笑う事をやめず、
終いには


「かーわい。」


そういって頬を
びよーんと伸ばして遊び始めた。


そんな無邪気な海人君に
なんだか怒るのもばからしくなって
一緒に笑った。


このまま時が止まればいいのに。
なんて本気で思ったりもした。


でも、そんな事が現実で
起こってくれるわけもなく、
いつの間にか太陽が
一番高く昇る時間になっていて、
暑さに耐えられず公園を出た。
< 166 / 297 >

この作品をシェア

pagetop