初恋レモン
お腹もいっぱいになって
これからどうするんだろうと
思っていると、
海人君が思わぬ提案をしてくれた。


「菜々、このままデートしよっか。」


一歩前を歩いていた海人君が
振り返って手を差し出している。


これは、繋いでいいって事、だよね?


海人君の手に自分の手を重ねると
ギュッと合わさって
海人君は嬉しそうに目を細めて笑った。


「行こう。」


嬉しい。


「初デートだね?」


島では、みんなで過ごす時間が多くて、
デートと呼べる時間はなかった。
だから、海人君がデートって
言ってくれて嬉しかったんだ。


「うん、遅くなってごめんね。
どっか行きたいとこある?」


行きたい所…。
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