初恋レモン
手を繋いで海人君を見つめた。


「…なに?あんま見ないで。」


繋がれていない方の手を使って
顔を隠されてしまった。
そんな仕草も可愛くって


「へへっ」


思わず笑えば、すかさず
笑うなってツッコまれた。


こんな何でもない日常が
すごく特別に感じるのは、
きっと隣にいる相手が
海人君だからなんだろうな。


そう考えていたら
いつの間にか私達は
お店へと帰ってきていた。


「みんな今日もありがとうね~!
それじゃ、早速お願い!」


昨日と同じようにエプロンを
身に着けた三人。
昨日の効果もあってか、
既に店内は多くの女の子でいっぱいだった。


そんな状況に
もちろんさくらちゃんは不機嫌で、
仕事に入るように
説得するのが大変だったのは
言うまでもない。
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