初恋レモン
チュッというリップ音は聞こえず、
本当にただ唇が触れるだけのキスを
菜々がしてくれた。


横目で菜々を見れば
赤くなることはよくあるけど、
今までとは比べ物にならないくらい
頬を真っ赤に染め上げていた。


こんなに可愛い彼女を見て
我慢している俺を褒めてほしい…。


本当なら今すぐ押し倒して…
なんて考えてない考えてない。


俺は菜々の気持ちがちゃんと
ついてくるまで待つって
決めてるんだから。


だけど、今こうして
キスしてくれたって事は、
菜々も少しは進みたいって
思ってくれてんのかな…。


そうなら俺は嬉しいけど。


今のとこ本心は
分からないよなー。


ってか、本当に可愛いな。
こんな可愛い菜々を
大河と光輝にも見られたのは癪だけど、
今回はいいって事にしておこう。


ゆっくり、少しずつ進んでいこう。


海人Side END
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