初恋レモン
「え、あの…っ」


手をバタバタと振っても、
私よりも10cm以上身長が高いであろう
さくらちゃんの腕の中からは
中々逃れることは出来なかった。


「ほら、さくらやめろ。
菜々ちゃん窒息死するぞ。」


ひょいとさくらちゃんを
引き離してくれたのは光輝君だった。


「あ、ありがとう…。」


酸素をたくさん取り込んで
呼吸を整えながらお礼をした。


「ごめんね、つい可愛くて。」


てへっといたずらっ子のように
舌を出すさくらちゃんは
今度は綺麗な雰囲気から一変、
とても可愛く見えた。



…そういえば
さっき光輝君がさくらちゃんの事
呼び捨てしてたし、
海人君もさくらちゃんとは
喋るって言ってたけど、
仲良しなのかな?
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